6月9日(火)に茨城県常陸太田市の協力隊が剣淵町の視察に来てくださいました。
常陸太田市は「地域おこし協力隊」制度を活用し「常陸太田アーティスト・イン・レジデンス」事業を開始しており、地域住民がアートに触れる機会を創り、地域に対する意識や価値観の変化、地域内外の新たな人的交流が生まれることを期待しているそうです。
今回視察に来たのは、協力隊になって1年半の方で、アーティストとして紙粘土の立体作品や紙芝居を制作し、地元の昔話を紹介して活動している方でした。
市でアート事業を始めアーティストを軸として地域活性化していくのはずいぶん大胆な発想だなぁと思いました。しかし常陸太田市は平成23年から地域おこし協力隊を導入しており、人数も多く地域の人の受け入れ体制は整っていたそうです。
常陸太田市でも利便性が低い里美地区という場所で、ワークショップを開催したり情報紙を発行したりと活動は様々ですが、協力隊担当職員と、企画書や予算などを提出し協力隊がチームになって地域活性化を考え活動しています。
情報誌の作成をとっても協賛を募って制作したり、地域の人が地図を書いたり、インタビューが載っていたりと、地域の人を巻き込むのはとても大変な作業ですが地区全体で町の活性化を担っていると思いました。
剣淵町では現在まで4人の協力隊を採用してきましたが、初めのころより協力隊制度をどう活用したらいいのか行政側も対応できるようになりました。対応できるようになった分、ピンポイントでほしい人材を募る方向になってきています。
自治体によって活動は多種多様ですが、協力隊の人数が多ければいいという問題でもないし、年齢が若すぎてもダメな場合もあるし、ヨソから来た人の提案で地域の人がどれだけ賛成するか不透明な場合もあります。
協力隊3年目でだいぶ地域に慣れ、役場内での完結事が多くなってきていました。地方創生で移住・定住の事が取り上げられていて、どうしたら定住してもらえるか。ということに考えが偏っていたみたいです。今回、常陸太田市の協力隊が来て、地域の人と一緒に考え地域を良くして行こうとしていることにハッとしました。
私は、地域の人が主体となって地域おこしをすることに協力をする。ということを忘れかけていました。地域住民との交流がなければ地域活性化は難しいです。残り一年をきり自分の活動中心になってきていますが、初心に帰ることができた協力隊との出会いでした。
剣淵町地域おこし協力隊 田中紘子