Archive for 2014年4月9日

ふと思い出したこと

ふと、母の実家のことを思い出しました。

母の実家は、地元の駅前商店街でハンコ屋さんをしています。

よくある商店のように、表が店、裏は家というような建物でした。今年で87才になる祖母は、お客さんがいないときには居間で色々作業をしたり、テレビを見たり、パッチワークをしたりで、お客さんが来ると「はーい」と元気な声で店先に出るのでした。

店の入り口はガラスの引き戸で、開けると家のほうで「♪ポロポロポーン」という電子音がなります。お客さんが来たことは、この音でわかります。(剣淵の山田菓子店の自動ドアと同じ音です)

お店には昔からの馴染みのお客さんが訪ねてきます。100円均一のお店でハンコが買えるようになっても、インターネットで注文できる時代になっても、昔からのお客さんは、変わらず足を運んでくれるのです。

ハンコの他に表札やはがきの印刷も扱っていて、年末になると年賀状の準備で大忙しの様子でした。フィルムカメラの時代には、現像の受け付けもしていた気がします。

駅前商店街は、お祭りの時期になると人で溢れかえります。お神輿やお稚児さんの行列…。祖母の店の横には神社に向かう細い路地があり、そこには出店がたくさん並びます。小学生や中学生の頃は、店の2階の窓から顔を出し、友だちが歩いていないか探すのが楽しみでした。

いまは行く機会が減ってしまったけれど、とても懐かしくて好きな場所です。

 

祖母のお店と地元の商店街は、剣淵の商店や商店街と重なります。

お客さんが来ると店の奥から出てくる店主、昔馴染みのお客さんがちょっと一息ついたり、おしゃべりをしに立ち寄る場所…。そうした風景は、小さなころから見ていた風景と同じだったんだなぁ。と、気づいたのでした。

 

一方の町では開発が進み、店の目の前には、高層マンションが建つ予定です。

もう一方の町では、過疎化が進み、後継者のいない店が多くあります。

私はどちらも、さみしいなと思います。

 

小さな頃から変わらずに、なんでもない日常がそのまま続いていけばいいな。そのままの景色でずっと残ってほしいな。という気持ちは、地元にも剣淵にも抱いています。

時間とともに人も景色も変わっていくのは、仕方がないかもしれません。けれど、いいものや大切なものはそのまま残したり伝えたり、守ることが出来たらいいな。

剣淵町 眺望の丘 

剣淵町地域おこし協力隊 髙村匠子

新年度

皆さんこんにちは。剣淵町地域おこし協力隊の髙村です。

今日から新年度ですね。剣淵町役場では新たに「町づくり観光課」が配置されました。地域おこし協力隊はこれまで総務課にデスクがありましたが、今日から「町づくり観光課」です。

地域おこし協力隊の担当者も変わり、環境の変化を新鮮に感じています。この環境でなにが起こっていくか、楽しみです。

また、わたしが剣淵に来てから1年半が経ちました。地域おこし協力隊の任期は3年間なので、ちょうど折り返し地点。これからの活動や自分のやりたいことについて、色々考えを巡らしています。将来のことも考えていますが、これからどういう道を進んでいくか、現時点では見えていない状況です。

いまは、活動や多くの人との関わりを通して、さまざまなヒントを得ているところです。自分に必要なもの・情報を収集する時期なのかもしれません。いろいろ考えを巡らせる中で、きっと近いうちに自分にしっくりくる答えが出るだろうと思っています。

今年度は、自分の気持ちにまっすぐに、自分がいいなと思うものを大切にしながら、活動していこうと思います。

剣淵町地域おこし協力隊 髙村匠子