旅人からの贈り物

平成30年1月

雪がたくさん降る剣淵町に贈り物が届きました。

スローシネマ方式で上映が始まって5年、今もなお、映画「じんじん」を見て剣淵町を訪れる旅人が、ぽつり ぽつり と後を絶たずいます。

昨年の夏、長野県から とある母娘がやってきました―――。

そのお母さんは、数年前に観た映画「じんじん」に出てきた広々とした明るい田園風景が心に残って忘れられなかったそうです。それが旅の目的地を大きなガイドブックには載っていない小さな田舎まち「剣淵町」に定めたきっかけのようでした。

飛行機で羽田から旭川空港に降り立ち、レンタカーで剣淵へ。

駅前旅館に宿泊し、眺望の丘、絵本の館など町内をぐるり。

 

 

 

 

 

 

 

旅人は長野県へ帰ってから、旅の体験をもとに手作り絵本とエッセイを制作し、コンテストに応募することを思いつきました。

お、これは銀三郎的思考では?!

そしてなんと、旅人の作品は見事に賞を受賞!

しかも、驚いたことに2作品両方です。 ォオ~!!(゚Д゚ノ)ノ

絵本は、「第13回 家やまちの絵本コンクール」で住生活月間中央イベント実行委員会委員長賞(大人の部)を、旅のエッセイは、「第13回JTB交流文化賞」の一般体験部門の最優秀賞に選ばれました。

その内容は、まさに“絵本の里けんぶち”らしいエピソード。特別ではなく日常。

剣淵の旅での感動やお世話になった町の人たちへの恩返しの思いを込めた制作だったと言います。

この方、帰宅後、即、剣淵町へふるさと納税もしたというので、更に驚きです。

 

映画をきっかけにこういったことが起こるとは、撮影当時、町民 誰一人として想像もつかなかったことでしょう。剣淵の映画ができるということ自体、半信半疑だったのですから。

DVDも出て、数は少なくなったものの いまだにどこかで上映している「じんじん」。

そして、“絵本の里けんぶち”にはひっそりと「じんじん」に魅せられた人たちが訪れ続けている。

今回の旅人は表に出る形で表現してくれましたが、静かに剣淵を訪れ、このような体験をされている方が他にもいたりするのかなと、いや、多分いるな と思います。訪れたみんなが優しい幸せな顔になってくれたらいいですよね。

 

さて、旅人からの贈り物である作品は、ネット上で読むことができます。

ぜひ多くの人に読んでいただきたい。まさに心に「じんじん」と染み入るお話だと思いますよ。

 ☆絵本 「えほんのくにKEMBUCHI」 2017.12 up

 ☆エッセイ 「ひみつの夏休み」 2018.01 up

作者 柴 茜(しば あかね)